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桐島 陽; 木村 貴海; 永石 隆二; 杤山 修*
Radiochimica Acta, 92(9-11), p.705 - 710, 2004/12
被引用回数:28 パーセンタイル:84.44(Chemistry, Inorganic & Nuclear)アクチノイドの光誘起による発光現象はこれまでCm(III),Am(III),U(VI)などについて確認され、その特性が研究されてきた。これらの蛍光特性を利用して開発された幾つかの状態分析法は、対象イオンの第一配位圏内の水和数や配位環境の直接評価を可能とし、各元素の溶液化学研究を飛躍的に発展させてきた。一方、4価及び5価アクチノイド溶存種については、ごく一部の錯体種を除けば蛍光は存在しないと考えられてきた。これに対し、著者らは溶液中のUイオンの5電子エネルギーレベルの解析から、このイオンが蛍光を発する可能性を見いだした。本報では、酸性溶液中で調製したUイオンの5電子を基底準位(H)から-遷移の励起準位(S)に励起することにより観測された発光特性について述べる。さらにこの発光を利用したU(IV)の新たな直接分析法の開発についても言及する。
桐島 陽*; 木村 貴海; 杤山 修*; 吉田 善行
Chemical Communications, (7), p.910 - 911, 2003/04
アクチノイドの光誘起による発光現象はこれまでCm(III),Am(III),U(VI)などについて確認され、その特性が研究されてきた。一方、4価及び5価アクチノイド溶存種については、ごく一部の錯体種を除けば蛍光は存在しないと考えられてきたが、溶液中のUイオンの5f電子エネルギーレベルの解析から、このイオンが蛍光を発する可能性を見いだした。この仮定に基づき実験を行ったところ、酸性溶液中で調製したUイオンの5f電子を紫外光により基底準位(H)からf-f遷移の励起準位(S)に励起すると、そこからの緩和過程に発光が存在することを発見した。得られた蛍光スペクトルの解析により10個のピークが同定され、吸収スペクトルと比較した結果、それぞれSからI,G,P,D,H,F,F,Hへの遷移に相当する蛍光であることがわかった。時間分解して測定した蛍光寿命は20ns以下であった。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳孝*; 巻出 義紘*; 富永 健*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.335 - 340, 1999/00
被引用回数:15 パーセンタイル:72.22(Chemistry, Analytical)天然に存在するフミン酸のような高分子有機酸とアクチノイド(III)及びランタノイド(III)との錯形成は重要であるが、その不均一性によりその錯構造は明らかではない。Eu(III)とポリカルボン酸[ポリアクリル酸(PAA),ポリマレイン酸(PMA),ポリメタクリル酸(PMAA),ポリヒドロキシアクリル酸(PHAA)]をモデル物質に用いて、レーザー誘起分光法により錯体の水和数Nの測定からその構造を研究した。PAA錯体ではpH2.5から錯形成し、3.5pH9で2.5N4であった。PMM及びPHAA錯体のNは安定度定数と逆の順序(PHAA錯体PAA錯体PMA錯体)であった。これは、より多くの脱水和により安定な錯体が形成されることを示す。PMAA錯体のNのpH依存性は他の錯体と異なり、pH7で極大を示した。pH滴定、粘性測定からPMAA錯体の急激な形態の転移としてこれを解釈した。
木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 271-273, p.867 - 871, 1998/00
被引用回数:67 パーセンタイル:92.53(Chemistry, Physical)金属イオンの内部水和数N、すなわち第1水和圏にある水分子数は、化学種の配位環境に関する重要な情報を提供する。励起状態の寿命からIII価アクチノイド及びランタノイドのNを決定するために、蛍光寿命とNとの相関を研究してきた。本報では、ナノ秒オーダーの寿命を持つAm(III)及びNd(III)を対象に、この相関を検討した。DO-HO溶液及び一連のポリアミノポリカルボン酸錯体中のAm(III)とNd(III)の寿命をそれぞれ692nm及び890nmにおいて測定した。DO-HO溶液中での結果から、AmとNdの励起エネルギーはともに配位水のOH振動へのエネルギー移動で緩和されることを明らかにした。一連の錯体中のNの結果はいずれもEu(III),Tb(III)などよりも大きく、Am(III)とNd(III)がより大きな総配位数を持つことが示唆された。これらを基に、蛍光寿命とNとの相関を報告する。
G.Meinrath*; 加藤 義春; 木村 貴海; 吉田 善行
Radiochimica Acta, 82, p.115 - 120, 1998/00
地球化学的に重要なU(VI)の単独化学種の吸収及び蛍光スペクトルは、天然環境におけるウランの挙動を予測するための精度の高い熱力学データの取得、ならびに天然に含まれるウランをトレーサーとして使用する可能性の評価において必要となる。時間分解レーザー誘起蛍光法(TRLFS)は10mol dm以下の濃度でU(VI)が検出できることを実証してきた。また、ほとんどの天然水系におけるU(VI)濃度は10mol dmであることが知られている。このように、原理的に検出可能な低濃度のU(VI)に対して、TRLFSは励起スペクトル、蛍光スペクトル及び蛍光寿命の特徴的な3つのパラメータを提供する。さらにこれに加え、U(VI)化学種の吸収スペクトルと蛍光スペクトル間のエネルギー差(ストークス・シフト)がパラメータとなる。この関係をU(VI)の加水分解種及び炭酸錯体を用いて実証する。
加藤 義春; 木村 貴海; 吉田 善行; G.Meinrath*
Uranium Mining and Hydrogeology II, p.227 - 235, 1998/00
水溶液中におけるウラニル(VI)イオン[UO]種の化学形は環境条件下でのスペシエーションだけでなく、その配位構造及び結合の観点からも興味深い。二元系におけるUOの錯形成は広範に研究されてきたが、三元錯体の生成についてはよく知られていない。本研究では、水溶液中のウランの直接的なスペシエーションに有効な時間分解レーザー誘起蛍光分光法(TRLFS)を用いて、三元系UO-F-SOを研究した。二元系UO-F及びUO-SOにおいて生成された単核錯体UOF(n=1-4)及びUO(SO)(n=1-3)の蛍光波長と蛍光寿命に基づいて、三元系における単核三元錯体UO(SO)F(m=1-2,n=1-3)の生成を検討した。三元錯体の安定性、構造及びその環境放射化学研究における意義について議論する。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳考*; 富永 健*
Chemical Communications, (2), p.223 - 224, 1997/00
固液界面に吸着した金属イオンの化学種の構造に関しては、それに適用できる分析法が限られるために、未解明な点が多い。ここでは、初めての試みとして時間分解蛍光法をイオン交換樹脂に吸着したユウロピウム(III)の水和構造の研究に適用した。強酸性(スルホン酸系)及び弱酸性(アクリル酸系)イオン交換樹脂に吸着したEu(III)と、比較のために鎖状高分子のポリスチレンスルホン酸系及びポリアクリル酸系におけるEu(III)の水和数Nを測定した。強酸性樹脂にEu(III)はpH1で吸着され、7N8であった。ポリスチレンスルホン酸系ではほぼ9であるため、この違いは樹脂の網目状の骨格による効果と推定した。弱酸性樹脂にはpH4で吸着され、ポリアクリル酸系と同様に2.5N3.5であった。以上のように、水和数の直接決定により吸着機構の違いを定量的に証明することができた。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳孝*; 富永 健*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, Letters, 212(1), p.11 - 21, 1996/00
ポリアクリル酸及びポリマレイン酸錯体中のユウロピウム(III)に結合した水分子数を評価するために、それらの蛍光寿命を測定した。支持電解質濃度が0.01Mの場合、錯体中のユウロピウム(III)に残存する水和数は3.5~4.5の範囲であった。残存水和数は支持電解質濃度の増加とともに減少した。これらの結果は、錯体中のユウロピウム(III)は高分子配位子によりとり囲まれていることを示す。
木村 貴海; Choppin, G. R.*; 加藤 義春; 吉田 善行
Radiochimica Acta, 72, p.61 - 64, 1996/00
励起状態の寿命の逆数kと第1配位圏の水分子数nとのキャリブレーションを行うために、水和構造が既知のランタン化合物中にドープしたEu(III)とCm(III)の蛍光寿命を測定した。ここで得られたk-nの相関と文献中の蛍光寿命を用いて、核種水溶液中のCm(III)の水和数を計算した。計算で得られたnは、すべて化学的にみて合理的な結果であった。
石渡 英一*; 木村 貴海; 加藤 義春; 長谷川 佑子*
Anal. Sci. Technol., 8(4), p.499 - 503, 1995/00
ランタノイド系列元素の溶液中における錯体の安定性を研究するために、クロロホルム中におけるランタノイド(III)-テノイルトリフルオロアセトン(TTA)錯体と7種のカルボン酸との付加錯体の生成定数を溶媒抽出法により測定した。カルボン酸との生成定数は概して原子番号の増加とともに減少したが、系列の中央でわずかに変化した。この傾向は系列中央での配位数の変化に対応すると解釈した。配位数の変化を確認するために、Eu(III)の蛍光寿命測定によりEu(TTA)及び付加錯体の水和数決定を試みた。Eu(TTA)及び付加錯体Eu(TTA)HB、Eu(TTA)・2HB(HB=カルボン酸)に対し、それぞれ3、2、1または3、1、0の残存水和数が示唆された。
木村 貴海; 加藤 義春
Journal of Alloys and Compounds, 225, p.284 - 287, 1995/00
被引用回数:61 パーセンタイル:93.37(Chemistry, Physical)Eu(III)及びTb(III)を参照イオンとして、Sm(III)及びDy(III)の蛍光寿命の逆数Kと第1配位圏の水分子数nとの関係を調べた。DO/HO中及び臭素酸塩中のランタノイドイオンの蛍光寿命の測定から、HO中のSm(III)及びDy(III)のnはそれぞれ9.00.5及び8.40.4であることを明らかにした。さらに、ドナー配位数が既知のポリアミノポリカルボン酸とランタノイドイオンの1:1錯体を用いて、K(ms)の測定からSm(III)及びDy(III)錯体中のnを決定する実験式;n=0.026K(Sm)-1.6及びn=0.024K(Dy)-1.3を提案した。
木村 貴海; Choppin, G. R.*
Journal of Alloys and Compounds, 213-214, p.313 - 317, 1994/00
被引用回数:265 パーセンタイル:99.74(Chemistry, Physical)Eu,Tbなどのランタノイドイオンに対し、蛍光寿命の逆数(K=1/)とイオンの水和数(n)との間に直線的な相関がある。Cmに対し同様の関係があるかどうかを検討するために、Euを参照イオンとしてCmの蛍光寿命を種々の系において測定した。DO/HO中及びランタン化合物中のCmの蛍光寿命の結果からKとnの間に次の関係があることを明らかにした。n=0.612K(ms)-0.468。この関係をEu錯体に対し水和数が既知のポリアミノポリカルボン酸のCm錯体に適用し、水和状態を研究した。Eu,Cm錯体は同様の熱力学パラメータをもつにもかかわらず、Cm錯体の水和数は明らかにEu錯体のそれより大きかった。本報においてその結果を議論する。